君だけの星へ
「……ッく、」



真っ暗で、何も見えなくて。

どしゃ降りの雨の中、声にならない声でただ泣き叫んだ。


──なあ、星佳。

あんなに俺のことを愛してくれる人は、おまえ以外に、きっともういない。

そしてあんなに愛したい、守りたいと思える人にも、たぶん出逢えない。



「うぁ、あぁ……っ」



雨が、身体を打つ。

絶望が、世界を遮断する。

星が見えない。……見えない。



「……ぃか、星佳……っ!!」



──愛してた。

──愛してる。


きっとそれは、これからもずっと永遠に。
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