君だけの星へ
「……初めてだったんだ」

「え、」

「初めて、あんなに守りたいと思える存在に出逢えた」

「………」

「髪も、目も、声も、笑顔も、全部愛しかった。……全部、守りたかった」



狂おしいくらいに切ない言葉たちが、彼の口から吐き出される。

桐生さんは手が白くなってしまうくらい、きつくこぶしを握りしめていて。



「……すきだった。愛してた。……だけど、もういない。どこにもいない。もう、会えない……っ」



見上げる彼の顔に映るのは、絶望と悲しみ。

そのまま桐生さんは、自分の両手で顔を覆った。



「……もう、嫌なんだ。もう、大切なものを失いたくない」

「………」

「絶望を、見たくない……っ!」
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