君だけの星へ
「それじゃあ、智は……世莉ちゃんが、自分の弱味を見せられる存在だって思ってる？」

「……さぁ、どうだかな」



俺の返答に、京一は訳がわからないと言いたげな様子で眉を寄せた。

そんな京一に、俺はまた続ける。



「京一も、最初に感じたんだろ？　望月の雰囲気が、どことなく星佳に似ているって」

「………」

「──駄目なんだ。あいつは、星佳の代わりじゃないと……今の俺には、ちゃんと言える自信も、根拠もない」



あいつの中に、星佳の面影を探すことはしない。

そんなのは意味のないことだと、とっくに気づいていたから。

……だけどもしかすると、心の奧深くの自分でも気づいていないようなところで、すがっている部分があるのかもしれない。

俺はまだ、自分の本当の気持ちが見えないんだ。
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