君だけの星へ
今度はわたしが、彼の腕をぐっと掴む。

そしてそのまま、精一杯強く引いた。



「……ッ、」



ドサ、という音とともに、わたしは後ろからベッドに倒れこむ。

真上では不可抗力でわたしに跨がった桐生さんが、瞠目してこちらを見下ろしていて。

目じりから溢れ出た涙が耳の横をつたい、シーツに染みをつくる。



「……抱いて、ください」



わたしの小さな声に、ピクリと、頭の横にある彼の腕が動いた。



「桐生さん、お願いします。1度きりで、いいから」

「………」

「今だけ、だから……っ」



言いながらわたしは手を伸ばして、黙ったままの桐生さんの首筋を撫でた。

それからするりと降下させ、彼のシャツのボタンを外していく。
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