君だけの星へ
3つめのボタンを外したとき。

不意にその手を、自分とは違う大きな手に強く掴まれた。



「……おまえ、こんなんどこで覚えてくんだよ」



そしてそのまま、両手をベッドに固定される。

意思の強いその瞳は、今は逆光で、よく見えなくて。



「馬鹿だろ、おまえ」

「………」



……うん、そうだよ。自分でも、わかってるんだよ。

だから、ねぇ、『馬鹿な女だ』って、笑ってよ。

今だけでも、利用してよ。



「後悔するぞ、絶対。……俺も、おまえも」



うん、それもわかってるの。

わかってて、こんなひどいことを言ってるんだよ。
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