君だけの星へ
桐生 智、25歳(男)。
背が高くてたいそうなイケメン。ただし普段から仏頂面ばっかりで、たまに見せる笑みは何か悪い予感をさせるものばかり。
黒い色が似合う。っていうかむしろ腹の中も真っ黒。
近視のためカテキョ中だけ逆ナイロールの眼鏡着用。冗談で「老眼ですか?」って言ったらものすごい笑顔で首を絞められかけた。
これが今知っている、わたしの中の“桐生さん”のすべてだ。
そして、以上のことを踏まえての結論。
「……悪魔だ……」
「ああ?」
「………」
小さな呟きも逃さずに鋭く飛んでくる強い眼差しは、わざとあさっての方向を見ることでなんとかやり過ごす。
ようやく3ページ分の問題を解いて言い渡された休憩なのに、まったく心が休まるどころじゃない。
コップに入ったオレンジジュースをストローで吸いながら、わたしは椅子から投げ出した足をブラブラと動かしていた。
「……これ、」
「へあっ?!」
突然声をかけられたもんだから、思わず変な声をあげてしまった。
何やってんだよ、という無言の圧力をチクチク感じつつ、少し離れたところに立っていた桐生さんに顔を向ける。
背が高くてたいそうなイケメン。ただし普段から仏頂面ばっかりで、たまに見せる笑みは何か悪い予感をさせるものばかり。
黒い色が似合う。っていうかむしろ腹の中も真っ黒。
近視のためカテキョ中だけ逆ナイロールの眼鏡着用。冗談で「老眼ですか?」って言ったらものすごい笑顔で首を絞められかけた。
これが今知っている、わたしの中の“桐生さん”のすべてだ。
そして、以上のことを踏まえての結論。
「……悪魔だ……」
「ああ?」
「………」
小さな呟きも逃さずに鋭く飛んでくる強い眼差しは、わざとあさっての方向を見ることでなんとかやり過ごす。
ようやく3ページ分の問題を解いて言い渡された休憩なのに、まったく心が休まるどころじゃない。
コップに入ったオレンジジュースをストローで吸いながら、わたしは椅子から投げ出した足をブラブラと動かしていた。
「……これ、」
「へあっ?!」
突然声をかけられたもんだから、思わず変な声をあげてしまった。
何やってんだよ、という無言の圧力をチクチク感じつつ、少し離れたところに立っていた桐生さんに顔を向ける。