君だけの星へ
「そういえば、さっき棚橋さんからまた紅茶の葉をもらったんだよ。飲むかい?」
「ほんと?! 飲む飲む!」
紅茶が大好きなわたしは、その言葉を聞いて即座に声をあげた。
常連の棚橋さんは紅茶好きのわたしを知っていて、よくあやめ堂におすそ分けをしてくれる明るい性格のおばさんだ。
うきうきした気分で、かばんをレジの横に置く。
「棚橋さんが持ってきてくれる紅茶、いつもすごくおいしいんだよね~」
「世莉ちゃんがそうやって笑ってくれるから、棚橋さんもあげがいがあるんだろうねえ」
言いながらおじいちゃんは席を立って、紅茶を淹れるためかレジの奥の自宅の方へと消えていった。
つい今までおじいちゃんが座っていた木製の椅子に、今度はわたしが腰をおろす。
「……はあ~、落ちつくなぁ~……」
狭くるしく並べられた本棚。
紙とインクと少し埃っぽいにおい。
壁に掛けられた時計の秒針が進む音。
カウンターにぺたりとうつぶせて、深く息を吐く。
──変わらないここは、昔からずっと、わたしの宝物だ。
「ほんと?! 飲む飲む!」
紅茶が大好きなわたしは、その言葉を聞いて即座に声をあげた。
常連の棚橋さんは紅茶好きのわたしを知っていて、よくあやめ堂におすそ分けをしてくれる明るい性格のおばさんだ。
うきうきした気分で、かばんをレジの横に置く。
「棚橋さんが持ってきてくれる紅茶、いつもすごくおいしいんだよね~」
「世莉ちゃんがそうやって笑ってくれるから、棚橋さんもあげがいがあるんだろうねえ」
言いながらおじいちゃんは席を立って、紅茶を淹れるためかレジの奥の自宅の方へと消えていった。
つい今までおじいちゃんが座っていた木製の椅子に、今度はわたしが腰をおろす。
「……はあ~、落ちつくなぁ~……」
狭くるしく並べられた本棚。
紙とインクと少し埃っぽいにおい。
壁に掛けられた時計の秒針が進む音。
カウンターにぺたりとうつぶせて、深く息を吐く。
──変わらないここは、昔からずっと、わたしの宝物だ。