君だけの星へ
「……ふぅ」
ようやく区切りのいいところまで問題を解き終えて、小さく息を吐きながら顔をあげる。
ケータイで時間を確認してみると、桐生さんがベッドに入ってからだいたい30分くらいが経っていた。
「(少しは楽になったかなぁ……)」
床に足をつけ、そっと静かにベッドへと近づく。
桐生さんはたぶん眠っているようだけど、片腕で目元を隠し、苦しげに浅い呼吸を繰り返していた。
どうしよう、これは起こしてしまっていいのだろうか。
もう少し寝かせておいた方がいいような気もするけど、桐生さんに「30分で起こして」って言われたし……。
横になった彼を見つめながら、ぐるぐるとそんなことを考えていると。
桐生さんが小さく口を動かしていることに気づき、ハッとして耳を近づけた。
「……で、……ぃ……か……」
「? 桐生さん?」
「……いか、……で、」
ひたいには汗がにじみ、うわごとのように何かを呟く桐生さんに、きっと、意識はない。
顔の上に乗せていない方の手で自分の胸元を掴んで、呼吸もだんだん、荒くなってきて……ようやくわたしは、彼がうなされているんだということに気がついた。
ようやく区切りのいいところまで問題を解き終えて、小さく息を吐きながら顔をあげる。
ケータイで時間を確認してみると、桐生さんがベッドに入ってからだいたい30分くらいが経っていた。
「(少しは楽になったかなぁ……)」
床に足をつけ、そっと静かにベッドへと近づく。
桐生さんはたぶん眠っているようだけど、片腕で目元を隠し、苦しげに浅い呼吸を繰り返していた。
どうしよう、これは起こしてしまっていいのだろうか。
もう少し寝かせておいた方がいいような気もするけど、桐生さんに「30分で起こして」って言われたし……。
横になった彼を見つめながら、ぐるぐるとそんなことを考えていると。
桐生さんが小さく口を動かしていることに気づき、ハッとして耳を近づけた。
「……で、……ぃ……か……」
「? 桐生さん?」
「……いか、……で、」
ひたいには汗がにじみ、うわごとのように何かを呟く桐生さんに、きっと、意識はない。
顔の上に乗せていない方の手で自分の胸元を掴んで、呼吸もだんだん、荒くなってきて……ようやくわたしは、彼がうなされているんだということに気がついた。