君だけの星へ
この熱が示すもの
『愛に対する治療法は、より愛する以外にない。』
ヘンリー・デイビッド・ソロー
◇ ◇ ◇
「……え? 同窓会?」
「そうなの~」
目をまるくするわたしの言葉に、お母さんはにこにこと返す。
「高校時代の同級生たちとね。夕方からなんだけど、お昼には友達と待ち合わせるから……世莉には悪いんだけど、ごはんは自分で作るか外食でお願いね」
「うん、まあ、それはいいけど……それっていつの話?」
「ん? あさって」
いたってあっさりとしたお母さんのこたえに、わたしは「はあ?!」と思わず声をあげた。
だってだって、その日は……!
「あさって、って……今週の土曜日?!」
「そうねぇ」
「『そうねぇ』って……っその日はわたしカテキョだよ?!」
「あら、別に関係ないじゃない。私が勉強するわけでもあるまいし」
もっともなお母さんの返答を聞いて、ぐっと言葉につまった。
だ、だけど……っ! いくら部屋には入ってこないとはいえ、同じ家の中に誰かがいるのといないのとじゃ、心持ちがまったく違うわけで……っ!!
つまりは、その日……桐生さんと、ふたりっきりなの?!
「そういうわけだから、よろしくね? 世莉」
「………」
い、いろいろと大丈夫かなぁ、わたし……。