君だけの星へ
「ほんとですか?!」

「ああ」

「やったー!!」



やったよ有紗、思いきって言ってよかった……!

思わず両手をあげてよろこんでいると、その様子を見ていた桐生さんが呆れた表情で首をかしげる。



「そんなに、うれしいもんかね」

「う、うれしいですっ!」



ただ約束にこぎつけただけだけど、これだけでわたしにとっては十分な進歩だ。

ぐっと両のこぶしを握りしめ、桐生さんを見上げた。



「わたし、絶対がんばります!」

「おー、せいぜいがんばれ」

「よっしゃー!」



彼の言葉を聞いて、気合いとともに両手を上に突き上げる。

なんだか、俄然やる気が出てきたぞ……っ!

今なら、どんな問題でも解ける気がする!



「……変なヤツ」



桐生さんが苦笑を浮かべそう呟いていたことを、わたしは知らなかった。
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