君だけの星へ
な、なんか、早瀬さんってだいぶ桐生さんとタイプが違う人だなぁ……。

一体どういうことがきっかけで、仲良くなったんだろう。


ああもう、とため息をついて、桐生さんは席を立った。



「おまえと話してると本気で疲れる。……俺、ちょっとトイレ行ってくるから」

「は~い、行っトイレ~」

「滅びればいいのに」



ダジャレを言った早瀬さんに対し、恐ろしい捨てぜりふを残して去った桐生さん。

それでもまったく気にしていない様子で、早瀬さんはヒラヒラと手を振る。

それを唖然とした表情で見つめていたわたしに気がついたのか、彼はにこりと笑いかけてきた。



「ほんと口悪いよね智って。まあ俺はもう慣れてるけど」

「あ、あはは……早瀬さんは勇者ですよ……」

「だってさ、あの嫌そうにしてるのがおもしろくって」



うーん、やっぱり、早瀬さんってちょっと変わってる人だ……。

そう考えながら苦笑して、すでに冷めかけた紅茶を一口飲む。

早瀬さんはウェイターを呼び、コーヒーを注文した。

一礼したウェイターが下がったのを見届けてから、彼はまた、わたしに視線を戻す。
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