僕と再婚して下さい。
洋介が寂しそうな顔をした。


「元嫁の実家に泊まるなんて、図々しいにも程があるよな」

「そんなことない。図々しいなんて思ってないから」

「本当か? 舞は優しいからそう言ってくれてるんだろ?」

「違うもん」

「泊まっていってもいいか? 追い返すなら今だぞ?」

「泊まっていっていいよ」


あたしが、そう言うと、


「やったー! 舞のお許しが出たー!」

洋介が勢いよく抱きついてきた。

「よ…洋介!」

ついさっきまで、真面目な口調で話していた人間とは思えない。

やったー! って、プレゼントもらって、テンションの上がった子供みたい。
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