僕と再婚して下さい。
一軒家を建てる話もあったけど。

離婚することになってオジャンになってしまった。

今思うと、結婚してすぐに建てなくて良かったよ。



「ねぇ? 洋介」

「何?」

「どうして、あのマンション出ないの? 1人なんだし実家に戻るとか。
ワンルームに引っ越すとかしないの? 家賃も二万位は変わると思うし」

「舞がいつ戻ってきてもいいようにだよ」

「へっ?」


危うくハンドルを離してしまうところだった。

信号が青から赤に変わり、車を停める。


「離婚した時は、引っ越しも考えたよ。でも舞と過ごした家を離れたくなかった」

「……」


洋介の顔が見れなかった。

信号が青に変わり車をスタートさせた。


< 117 / 394 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop