僕と再婚して下さい。
拾わなくていいもの拾ってしまった。

そして、知らなくていいことまで知って知まったような……。

あたしの胸の奥がチクリと痛んだのは、多分気のせいじゃない。

この紙をどうしようか迷っていると、



「ただいまー」

洋介がリビングに入ってきた。

帰ってきてしまった。

玄関の開く音にすら気付かなった。


「おかえりー。ジュースもらったよ」

「あぁ。構わないよ」

洋介がソファの上に座った。

あたしは、連絡先の書かれた紙をポケットにしまう。

後でタイミングを見て、どこかに置いておこう。
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