僕と再婚して下さい。
02
映画は二時間半程の作品だった。
高視聴率を叩き出した刑事ドラマの映画化。
ものすごく面白くて、ラストまで目が離せなかった。
「オレあのドラマが映画化になったのは知ってたけど、公開中とは知らなかったな」
帰りの車の中で洋介が言った。
「えー? 派手に宣伝してたじゃない」
「そうだったんだ」
「最近、主演の女優さんと俳優さん、テレビ出まくってたよ」
「仕事でテレビ観る時間なんてなかったから」
「そっか…」
洋介は大手建設会社に勤めている。
忙しいのは毎度のこと。
「特に嫁と離婚してからは、仕事に打ち込むことにして、何も考えなくていいようにしてた」
そんなこと言われたら。
あたしは何て返したらいい分からなくなる。