僕と再婚して下さい。
つまり、あたしと離婚したショック(だよね?)で、仕事に没頭したということだよね。


「舞は離婚してから、オレのこと少しも考えなかったか?」

「少しくらいなら考えたよ」

「少しでもオレのこと考えてくれたなら、嬉しいな」

洋介がチラッとあたしを見て微笑んだ。

半年前と変わらない優しい笑顔。

不覚にも胸がドキドキしてしまった。


会話が途切れて、すっかり暗くなった外を窓から眺める。


「舞、腹減らないか?」


洋介が沈黙を破った。


「お腹は空いてるけど、家に帰れば何かあるから」

「連れない奴だな~。夜ご飯くらいつき合えよ、な?」


映画だけで終わるわけないでしょ?

お母さんの言った通りになってしまった。


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