僕と再婚して下さい。
『そうか。ならいいんだ』


そう言って、洋介は寂しそうに笑った。

あたしは胸がチクリと痛んだ。


『じゃあ、舞がその気になるまで待つよ』

『……』

『キスもダメ?』

『キスはいいけど……』

『キス拒まれないだけ、オレは幸せだな』


洋介の言葉に更に胸がチクリと痛んだ。



それ以来──。

洋介はキス以上のことをしてくることはなかった。


そんなある日、洋介の仕事の帰りが遅いことがあった。

あたしは女の人といるんじゃないかと疑った。









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