僕と再婚して下さい。
「電話出なくて良かったのか?」

慎吾に聞かれて、無言で頷く。

「もしかして澤村さんから?」

「あっ……。うんまぁ……」

「ふーん」

会話が途切れる。


ホテルで流れた不穏な空気が流れ出す。

気まずい。

選手の練習姿を写メで撮る気分になんてなれない。


ズキズキ……。

突然、胸が痛み出した。


それは、慎吾に対してなのか、

それとも、留守電に切り替えてしまった洋介に対してなのか、


──よく分からないけど。


とにかくいけないことしてる気分だ。

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