僕と再婚して下さい。
「舞が気にするなって言うなら、気にするのやーめた」

慎吾がそう言った時、試合開始のアナウンスが流れた。


気まずいまま野球観戦をせずに済んだ。

良かった……。


あたしと慎吾は、美味しいお弁当を食べながら観戦。


「今日はエース対決なんだよな。いいピッチャーの日に観に来れてラッキーだな」

「行けなくなった慎吾の友達は残念だったね」

「そうだな」



それから──試合は特に大きな見せ場はなく、淡々と進んで行った。

どちらもピッチャーがいいこともあってか、両チームともヒット一本ずつしか出ていない。

五回裏に入る頃、あたしはトイレに行くことにした。




< 217 / 394 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop