僕と再婚して下さい。
「一緒にいるのはオレなのに悔しいよ」

「ごめん。慎吾」

「何でも謝ればいいと思ってるわけ?」


冷たい口調に圧倒され、何も言い返せない。


「さっ。帰るぞ。荷物はバッグだけだったよな?」

慎吾はあたしのバッグを手に持った。

「本当に帰るの?」

「居ても楽しくないし」

「……」

「でもせっかく来たんだし、一発やって帰るってのもいいな」

慎吾は言葉を続けた。

「さっき、電話で言ってたよな?オレとならそいうことしてもいいって───」

「あれは……」


売り言葉に買い言葉みたいなもんだとは、とても言えない。



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