僕と再婚して下さい。

慎吾はひとしきり笑った後、あたしの顔を見た。


「ビックリした？」

「ビックリっていうか、何よこの状況？」


さっきまで、あんなに張り詰めていた空気が変わった。


「オレ俳優目指そうかな～」

「ねぇ！ どいうこと？ 説明してよ！」

「舞が澤村さんと堂々と電話してたのムカついたから、何か仕返ししてやりたいなと思ってね」

「それで怒った振りしたの？」

「そいうこと。オレの迫真の演技凄くなかった？」


あぁ～もう……。

こっちは、どれだけビビったことか。

気が抜けてあたしは床の上に座りこんでしまった。

特に最後のは、あのままやられるかと思ったよ。