僕と再婚して下さい。
「どうした?」

「え……。見送りしようと思って」

「そうか」

「気をつけて帰ってね」


舞に見送られ家を出て行く。

玄関のドアを閉めると同時に「はぁー」と、大きな溜め息をついた。


オレの中でモヤモヤだけが、残ってしまった。

舞に嘘をつかれるなんて思ってもみなかった。


今日は家に帰ったら、さっさと寝よう。

モヤモヤを消したいなら、こうするのが一番だ。




でも──

この日は舞のことを考えて、あまり眠れなかった。


そして寝不足のまま朝を迎えた。







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