僕と再婚して下さい。
「結局、オレは舞を忘れることが出来なかった。じゃないと名前なんて間違えないだろ?」

「そうだね」


もし、あたしが洋介を忘れられないまま慎吾とつき合っていたら。

同じことが起きていたかもしれない。


「彼女と別れてすぐにでも舞に会いに行こうしたけど、川崎とうまくいってるなら追い返されるだけだって思うと怖くて行けなかったよ。でも」

「でも?」

「ここに来るまでは、舞は川崎と同棲するもんだと思ってたから、家探してるって聞いておかしくなりそうだったよ。舞が他の男と同じ屋根の下で暮らすなんて絶対に嫌だ。奪い返すしかない。──そんな思いでここに来てた」

「……」
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