僕と再婚して下さい。
「だって、一人暮らし決意したのにやっぱり辞めますって、どうなのかと思って」

「その決意を忘れていたのに?」

「そうだけど……」


洋介と一緒に暮らせるのは嬉しい。

でも、コロッと自分の考えるのもどうなんだろう?


「まさか再婚取り消しとか言わないよな?」

「言わないよ。それは有り得ない」

「でも、オレとは住む気にならないのか?」

「そいうことじゃないの」


あたしは言葉を続けた。


「──何だか甘えてるみたいな気がして」

「甘えてる?」

「うん。あたしが一人暮らしを決意したのは、自立した人間になりたいと思ったからなんだ」


洋介は頷きながら話を聞いてくれている。


< 368 / 394 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop