僕と再婚して下さい。
復縁するぐらいなら、離婚なんてしてないハズ。

「舞。オレは後悔してるんだ。離婚したこと」

「……」

「だから、もう一度オレとやり直して欲しいんだ。
もちろんすぐに再婚なんてしなくていいから」


洋介は真剣な眼差しであたしを見ている。

洋介──澤村洋介。27歳。

半年前まであたしの旦那だった人。

知的そうな端正な顔立ちにガッチリした体つき。

優しくて面白くてカッコいい自慢の旦那だった。


「洋介。その話また今度しない?
あたし予定あるんだけど」

"今度"なんて口からの出任せだけど。

こうでも言わないと、この話は終わらないような気がした。

それに、予定があるのは嘘じゃないし。


「予定? デートか?」

「そうそう。デート」

「だったら、行かせない」

「キャッ!」

立ったまま話していたあたしは、ベッドに腰かけていた洋介に腕を引っ張られた。

洋介はあたしを膝の上に座らせ、後ろから抱きしめてくる。


「ちょっと…離してよ!」

「デート行くんだろ? だったら、離さないよ」








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