僕と再婚して下さい。
あたしは言葉を続ける。

「そんなに、揉め続けるならあたし帰るから!」

洋介に繋がれた手を振りほどこうとしたけど、手に力を入れられ振りほどけなかった。



「舞、今度こそ帰るぞ」


そう言って、洋介は走り出した。

当然あたしも走るハメになった。

一瞬だけ後ろを振り向いた。

川崎さんの姿はもう既にどこにもなかった。




「はー。疲れたー」

走り出して少しして、洋介の足が止まる。

「あたしも疲れたよ~」

「だってこうしないと帰れなかっただろ? まさかあいつ追いかけて来てないだろうな?」

洋介が後ろを振り向き、追いかけて来てないことを確認して歩き出した。




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