夜を望む
都会出身でありながら宮元は、都会派ではないかも知れない。
「いつも太陽の光を浴びる場所にいる必要はないと思うけどね」
今度は宮元が「なんだそれ」と返した。
「回りが自分をこう思っているからっていうイメージを、維持しようとして無意識に必死になってしまう。他人のイメージを自分のものだと守ろうとしても、それは結局自分じゃないから疲れて嫌になる」
目立たない私は日陰にいて、滅多に太陽の光を浴びて注目されることなんてないけれど。
宮元への言葉じゃない。
これは私への、自身への言葉だった。