夜を望む
私自身のことだから参考にはならないだろう。
しかし宮元は「そうか」と頷いた。会ったばかりの時と比べてその声には、力があった。
「太陽に例えるだなんて」
「やだなあ。何かくさい台詞だったから忘れて」
いいや、と首を振った宮元はどこか楽しげだった。なら、秀はどうなんだろうな?といわれてさあ?と答える。
窓を背にした宮元と、私は目が合う。
「なら俺は秀を夜に喩える。こうやって二人でいて、無言でも苦にならない、俺が俺らしくいられる夜に」
「何それ。田舎くさいって遠回しに言ってる?」