夜を望む
宮元の台詞は、私が言った言葉と同等にくさい台詞だった。言われるとこう、恥ずかしさでいっぱいになる。
あれは失敗だったと少し後悔し始めた。
空気を読むことやお洒落をして着飾る都会人から比べたら、私は何も考えなくても、単純で何となく安心出来るのかも知れない。
いわゆる田舎くさい、か。上等じゃないか。
缶ジュースを飲み干す。まだ宮元はかすかに笑っている「違うよ」
「じゃあ、なんで呼び出したのよ。大した用事でもなかったくせに」
「素で話せる、秀に会いたくなったという理由だけじゃ駄目か」
「……都合いいこと」