夜を望む
私は窓際の席を陣取り、すぐ傍には宮元が窓を開けて、空を眺めている。黒髪が風で揺れた。
「で?本題は何よ」
呼び出したなら、用件があるはず。
しかし過去のことを考えると、宮元のことだから特にない、と言いそうだった。もしそう言ったら、私は即帰るつもりだ。現に奢ってもらった缶ジュースしか机の上には置いてない。鞄はすぐ傍に置いていた。
いつでも帰れる状態を保っている。
外から視線を外さないまま「俺ってかっこいいの?」だなんて言ったものだから、私は「はあ?」と間抜けな声が出た。
素をうっかり出した私に、宮元が笑う。
私は気を取り直して聞き返した。