夜を望む




 こちらへと体を向けた宮元が小さく「ああいうのは嫌だな」という。
 それは正しい、と私は返す。二人して小さく笑った。

 賑やかな女子らが過ぎた後、宮元が「この前」と切り出す。




「俺の買い物に付き合ってもらっただろ?姉さんのプレゼント選びでさ」

「ああ、あれどうだった?」

「喜んでた、と思う」




 そう。
 数日前のことだ。

 宮元が急に私に、姉へのプレゼントを選びたいから、買い物に付き合ってくれないか、といってきたのだ。飯ぐらいなら奢るし、と。
 私は私でいいのか疑問だったが、半ば強引に宮元の買い物、プレゼント選びに付き合ったのである。



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