螢狩
第一夜.出現

浴衣

肩まである髪を、サイドだけ後頭部で束ねた。

そして、視力が悪い俺は眼鏡をかけていた。

コンタクトレンズは怖い。

レンズを目の中に入れるなんて、怖いじゃないか。

そして俺は、夏は私服は浴衣と決めていた。

何だか、女子みたいだ…。

でもその浴衣は、母さんの形見だった。
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