螢狩

名前

「出逢ったのは中学の時」

父さんは再び夜空を見上げる。

「同じ学校に転校してきた。転校生の上あの性格で…クラスの中で浮いていたらしい」

母さん…。

「気になっていた。あの美しさが…ずっと」

綺麗な人だったんだね。

「勇気を出して話しかけたのは下校の時。黙ったままだけど、自宅の電話番号を教えてくれた」

父さんはすごく嬉しそうな顔をした。

「そんな涼夏が大好きだったよ」
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