運命
「あー疲れたっ!」
私はソファによこになった。
そこに黒田組で一番仲のいい
涼が来た。
「高校なんて楽なもんよ・・・ヤクザに比べりゃぁ だろ?」
思わず笑ってしまう。
涼は童顔でかっこいい。
でも喧嘩の強そうな体つき・・・
背はそこまで高くなくて、性格もいい。
だからみんなに好かれてる。
「ねえ、ヤクザってなんのためにやってるの?」
すると涼は少し考えた後、顔を赤めて
「実は昔、兄貴に助けられたことがあるんだ・・・」
「え!?そうなの?」
「あぁ・・・俺が麻薬に手出して自分を見失っていた時・・・・・救ってくれたのが兄貴だった。その時から俺は兄貴についていくって決めた・・・だから今俺は黒田組に入る。」
・・・・兄貴
世の中ではヤクザって悪いことばっかりしていると思われてばっかだけど・・・
黒田組は違う。
決して、悪いことをしないという訳ではない。
でも、心の片隅にみんなやさしさを持っている。
そこが黒田組の誇れる所・・・
事務所に住んでいるのは、兄貴と涼だ。
ほかの人達はアパートやマンションそれぞれ暮らしている。
「あのさ、俺も聞きたいことがあるんだけど・・・?」
「ん?何?」
涼は少し首をかしげながら
「皐、どこで麻雀覚えたんだよ?」
あ、そのことか・・・
私は笑いながら答えた。
「本屋で麻雀の本を立ち読みしたの!」