運命
中学1年生が終わる頃、私はもうほとんど完璧に麻雀を覚えていた。
だから、本屋にいく必要もなくなった。
でも・・・時々、会いたくなっていたのも事実だ。
久しぶりに行ってみよう・・・
本屋に入る前に自分の顔をチェックしている私がいた。
私馬鹿じゃないの・・・?
ただ見に来ただけなのに。
鏡をしまって、本屋に入った。
本屋をはいって左に曲がった所に麻雀などの本棚がある。
いない・・・
すぐ会えると思っていた。
なんともいえない気持ちになった。
それから1週間ぐらい連続で、通った。
だけど、もうその姿はなかった・・・
あの人もたぶん麻雀を全部覚えてたんだよね。
自分に言い聞かせて
私は少し重い足取りで本屋を出た。
中学2年生の8月頃初めて、兄貴達と麻雀をした。
私は、兄貴達にびっくりされた。
麻雀を知ってること、それと強いこともだ。
私は兄貴達に負けたことがなかった。
「生まれつきの才能だな・・・」
なんて正人は感心するように呟いた。