運命
それから私は、兄貴と2人で雀荘に行くようになった。
年齢制限など無視していた。
雀荘では、麻雀を対戦したい人達が待っている。
そこで私と兄貴は2人選んで4人で勝負する。
当たり前のように私は勝っていた・・・
雀荘に通ってから2ヶ月ほどたった時
いつものように、麻雀を打っていた。
その日、兄貴は
「トイレ行ってくる・・・」
そういって席をはずした。
すると、私の向かい側に座っていた相手が顔をあげて聞いてきた。
「お譲ちゃん可愛いなぁ でも、こんな歳で雀荘で麻雀打ってるなんてよっぽど酷い事情があるんだろう?」
私を見下すように言った。
「いえ、そんなことないですよ。」
私はそっけなく答えた。
すると真剣な顔で聞いてきた。
「よかったら俺の所で稼がないか・・・? 心配するな、体を売るとかそんなんじゃない。麻雀だ。麻雀で戦って欲しいんだ。」
「・・・・どういうことですか?」
その人は内ポケットからタバコを取り出しながら話を続けた。
「俺はな、遠藤組っていうヤクザの若組長なんだ・・・お譲ちゃん遠藤組って知ってるか?」
・・・知ってる。
黒田組と昔から仲が良くない。
なんて言おう・・・・?
私は下を向いてしまった。