上司と上手につきあう方法【完結】
唇は優しい微笑みを浮かべているのに、その目は妖しく輝く。
「こうでもしなきゃ、今も昔も、美琴、子猫みたいにシャーシャー威嚇するから近づけないから」
ちっとも悪いと思っていない朝陽の態度に、クラクラと目眩がし始める。
それから、彼の体がこれ以上近づけないくらい、私に密着する。
あっと、気が付いたら、本棚に乗せられていたはずの彼の腕は、私の背中へと周っていた。
「美琴……」
彼の唇が、私の額にふれる。
ふんわりと、彼が使っているシャンプーらしいグリーンの香りがする。
そして熱い唇が、信じられない言葉をささやいたのだ。
「やりなおしたい」