上司と上手につきあう方法【完結】
上司の浴衣
私たちが宿泊する伊豆のホテルは、白浜海岸がすぐ目の前のリゾートホテルだった。
「わーっ、目の前がすぐ海岸だ!」
障子窓を開け、クンクンと鼻を鳴らすと、塩の匂いがする。
ちなみに眼下には今は使われていないプールが見えた。
今現在、微妙にシーズンオフで、だからこそ安く社員旅行に来れたのだ。
夏休みが始まれば、きっとこの周辺は家族連れでごった返すに違いない。
「来月からだったらプールに入れたのにね。ざんねーん」
と、紗江子。
「目の前が海なのに、プールってもったいなくないですかぁ?」
と、伴ちゃん。
二人は持ってきた荷物をほどきながら、このあとどこへ行こうかと、相談を始めた。