上司と上手につきあう方法【完結】
再び鬼上司
そのまままっすぐ帰ればいいものを、なぜか私の足は、本当に会社へと向かっていた。
腕時計に目を落とすと、まだ21時前だ。
企画営業部の明かりがついているのも見える。
きっと誰かが残業しているんだろう。
そうだ。せっかくだから仕事して行こうかな。
部長に没にされた企画書でも練り直そう……。
仕事をすれば、頭が冷えるに違いない。
ため息をつき、近くの自販機で缶コーヒーを買ってから、もう一度会社へと入る。
廊下は節電のため、ほとんど真っ暗だった。
ところどころ、非常灯がついているくらいだ。
目指す企画営業部は、外から見た時と変わらず、灯りが漏れている。
にしても、金曜日の夜に、誰が残っているんだろう?