上司と上手につきあう方法【完結】
紗江子が小学生のように目をキラキラとさせる彼女を指すと、
「私、行きたいところがあるんですっ!」
と、テーブルの上に上半身を乗り出して、観光マップを指差した。
「どこ?」
「パワースポットです!」
彼女の指差したところに、紗江子と一緒に視線を落とす。
「白浜神社……」
「はい! ここ、縁結びの神様なんですよ~。ぜったい行きたいと思ってたんですよねっ♪」
「ふぅん……縁結びねえ」
紗江子がふんふん、とうなずいた後、ハッとわざとらしい顔を作って伴ちゃんを見つめた。
「まさか、最近同じチームで仲良くなった、山本君狙いじゃないでしょうね?」
「ええっ!?」
伴ちゃんが目を丸くするとほぼ同時に、私が大声を出してしまった。