上司と上手につきあう方法【完結】
だって、それはちょっと――複雑っていうか……。自分の元彼が友達と付き合うって、出来れば避けたいというか……。
いくら朝陽に未練はないと言っても、この気持ちは複雑で、嫌なものは嫌というか、まぁ、うまく説明できない。簡単には切り分けられない感情だった。
「えー、違いますよ~確かに山本さん人気ですけど。私はノーサンキューです」
伴ちゃんは苦笑しながら首を振る。
「あら、どうして?」
パーキングエリアで、私と朝陽が知り合いだったと知ったばかりの紗江子。
私が聞けないことがわかっていて、聞いてくれているのか、それとも好奇心かはわからないけれど、
(十中八九後者だと思うけど)伴ちゃんに詰め寄った。
伴ちゃんは少し考えた後、じっと彼女を見つめる私に視線をむけて、首をかしげる。
「――こっちのバスで話題になってましたけど、美琴さん、山本さんと知り合いだったんですか?」
「話題……?」