上司と上手につきあう方法【完結】
企画営業部の、二十人ほどのメンバーの顔を思い浮かべながらドアノブに手をかけた瞬間、中から誰かが飛び出してきて――
「きゃっ……!」
思いっきり体当たられた私は、バッグも落っことし、その場に尻もちをついてしまった。
私に体当たった誰かは、一瞬とまどったように立ち止まったけれど、そのまま私を置いて、廊下を走って行ってしまった――
「い、たたた……なんなのよ、もうっ……」
目から火が出るかと思った。
っていうか、今の誰なのよ……。謝れっつーの!
お尻を撫でながら立ち上がろうとすると、目の前に差し出される手。
「あ、どうも……」
軽くお礼を言って、その手をつかむ。
すると強い力で腕をひっぱられ、ふわっと体が浮いた。
「わわっ!」