上司と上手につきあう方法【完結】
そして勢いのついた私の体は、見知らぬ誰かの胸に飛び込む状態になって。
驚いて顔を上げると――
「っ……!」
私を無表情で見下ろしていたのは、なんと永野部長だった。
「ぶっ……ぶちょっ……」
「なんだ、平尾か」
なんだとは、なんだ。
と思ったけれど、そんなことを口に出せるはずもなく。
「あの、今のは……?」
部長、中から出て来たよね。
その誰かさんと一緒だった?
もう誰もいなくなった廊下の奥に視線を向ける。
「大したことじゃない」
「あ、そうですか……」