上司と上手につきあう方法【完結】

「一緒に戻るわけにはいかないから、先に戻ってくれる?」

「だったら俺が、あとから行くよ」



そう言って朝陽は、ぽん、と私の背中を押してくれた。



「――ありがとう」



海から吹きつける風は、背中から私の行先へと強く、強く吹いていた。

だけど大丈夫だ。私は自分の足で立てる。自分の進みたい方向に、自分の意志で進めるんだ。




部屋に戻って、砂だらけになってしまった体をシャワーで洗い流し、そのままお布団の中へと潜り込む。

紗江子と伴ちゃんの穏やかな寝息を聞いていると、自然と私も眠くなっていて、深い眠りに落ちるのも、一瞬のことだった――。



――――……



< 192 / 361 >

この作品をシェア

pagetop