上司と上手につきあう方法【完結】
「一緒に戻るわけにはいかないから、先に戻ってくれる?」
「だったら俺が、あとから行くよ」
そう言って朝陽は、ぽん、と私の背中を押してくれた。
「――ありがとう」
海から吹きつける風は、背中から私の行先へと強く、強く吹いていた。
だけど大丈夫だ。私は自分の足で立てる。自分の進みたい方向に、自分の意志で進めるんだ。
部屋に戻って、砂だらけになってしまった体をシャワーで洗い流し、そのままお布団の中へと潜り込む。
紗江子と伴ちゃんの穏やかな寝息を聞いていると、自然と私も眠くなっていて、深い眠りに落ちるのも、一瞬のことだった――。
――――……