上司と上手につきあう方法【完結】
なんで?
部長に私を頼むって言うのならまだしも。この状況で頼まれるのは私じゃないでしょうに……。
ポカンとしている私に、塩田さんは目を細めてにっこりと笑いかけたあと、スッと体を引き部長を振り返った。
「タクシー、来てるよ」
「――平尾、歩けるか?」
塩田さんの言葉を受けて、彼は私の様子をじっと見つめる。
どうやら私と塩田さんの会話は耳に入らなかったらしい。
「は、はいっ……」
コクコクとうなずいて、さっさと歩き始めた部長のあとを追いかける。
――――……