上司と上手につきあう方法【完結】
そんな何か月も前のこと、言われるとは思わなかった。
不意打ちだ。
だけど嬉しい。
その気持ちは否定できない。
「――行くぞ」
「は、はいっ……」
私の荷物を持って、さっさと歩きだす部長。ドキドキしながら、彼のあとを追いかける。
ドキドキが止まらない。
足元がふわふわするのも、頭痛のせいじゃない、
ああ、どうしよう。
これはただの偶然で、成り行きで。私は部下で、彼は上司で。
一人の女性として優しくされたわけでもないのに、側にいられることが嬉しくなってしまう。
せめて、彼の迷惑にならないように静かに寝ていなくっちゃ……。