上司と上手につきあう方法【完結】
当の部長は体の前で腕を組み、眼鏡をかけたまま厳しい表情で目を閉じている。ずいぶんと苦悩に満ちた顔だ。
ねぼけた私が、わざわざアームレストを挙げて、わざわざ彼にもたれかかってしまったんだろうか。
うん、きっとそうだ。深層心理って怖い!!
部長がこんな怖い顔をして眠っているのはそういうことなんだ!!
内心ビクビクしつつ、部長を起こさないようにゆっくりと体を起こしたのだけれど――
「――ん……」
部長はかすかにうめき、ぱっちりと目を開けた。
彼を見上げるような形で起き上がっていた私と、バッチリと目があう。
「ッ……ぶ、ぶちょ、」
言い訳をしなければと思うけれど、言葉が出ないままモゴモゴする私。
彼は何度か瞬きをしたあと、そのまま私を厳しい表情で見下ろした。