上司と上手につきあう方法【完結】
いやでも、膝枕してもらったし……うん、それだけを一生の思い出に、この先の人生を生きていこう、なんて自分を励ましていると、
「うちに来るか?」
頭上から耳を疑う言葉が降ってきた。
「へ……?」
「その様子じゃメシも食えないだろ。作ってやる」
「――」
部長って、部長って、なんでこんな風に突然無防備になるの。
私のこと死ぬほど申し訳なさそうにフッたくせに、どうして優しくするの?
「平尾?」
部長のごはん……食べたいに決まってるじゃん。
部屋にだって、行きたいに決まってるじゃん!
だけどそれをしちゃダメだって思ってるのは、フラれた前提があるからで――
もしかしてこの人って、天然の小悪魔ってやつ!?