上司と上手につきあう方法【完結】
体の表面がざわざわと音を立てて、総毛立つ。
黒目がちの美しい瞳は表面上は静かではあるけれど、その内面に強い炎のようなものが揺らめいていて、私は、彼女に敵意を持たれているのだと気が付いた。
そ、そっか。
彼女にわたし、勘違いされているのかも……。
もし、彼女がヨリを戻したいと言いに来たのなら(もしもなにも、きっとそうだ)
私はどう考えてもお邪魔虫だ。
「あ、私、あの……」
目の奥がカッと熱くなって、泣き出しそうになったけど、必死にこらえて、視線をつま先に落とす。
相変わらず部長のこと好きだけど私はもうフラれた人間で。二人の間に立ち入ることは絶対に出来ない。
ここにいる権利はない。