上司と上手につきあう方法【完結】
――――……
「部、部長……」
「ん……」
「が、頑張ってくださいっ……!」
「うん……」
背の高い部長を支えるのは、結構至難の業だった。
ずっしりと背中や肩にのしかかる重みをこらえながら、一歩ずつ歩を進める私。
どうしてこうなったんだっけ。
そうそう、タクシーに乗るまではよかったのよ。
部長、ちゃんと自分の家の住所言えたもの。
だけど、降りたらもう、完全に酔いが回っていて――
一歩も動けなくなっていた。
で、仕方なくイライラするタクシーの運転手さんに謝って、部長を支えながらマンションの部屋を探しているところなわけで――。